はじめに
こんにちは、アメリカ在住の税理士です。
このブログでは「アメリカで暮らす日本人のための税金情報」をわかりやすく発信しています。
今回は、キャンパス内のアルバイトなどで収入が発生したFビザ留学生のためのアメリカ税務申告についてまとめてみました。
結論としては、
✅ 収入があるFビザ留学生は、原則として確定申告が必要
✅ 収入の有無に関係なく、Form 8843は毎年提出義務あり
ということになります。
この記事を読めば、初めての方でも自力で確定申告をすることが可能だと思いますので、ぜひ読んでいってみてください。
1. なぜ確定申告が必要なのか?
まず最初に、税務申告をする際に真っ先に考える必要のある税務ステータスについて押さえましょう。
結論としては、Fビザ留学生は原則として税務上の区分が自動的に「Nonresident Alien(非居住外国人)」となります。
そしてこの「Nonresident Alien」は原則としてアメリカで稼いだお金に対して税金を支払う義務があります。
さらには、アメリカで得られた給与(Wages)は私たちが支払いを受けた時点、つまり私たちの銀行口座に入金されてくる前の段階で一定額の税金を自動的に徴収されていることがほとんどです(ちなみに自動的に徴収された税金は雇用者が税務署に送金(支払い)しています)。
つまりアメリカで収入を得た場合、「基本的に税金を多く払っている(過払いしている)可能性が高く、確定申告をすることで払い過ぎた税金を取り戻すことができる」ということになります。
一方、提出を怠ると払う必要のない税金を支払った状態になってしまったり、将来のビザ申請時に税務コンプライアンス違反として不利になる可能性があります。特に移民法は厳しくなる傾向があるようですので、税務コンプライアンスを欠くことは避けたいところです。
2. 収入を得たFビザ留学生が確定申告で提出すべき書類
まず結論ですが、以下の2つが中心となる書類です。
① Form 1040-NR “U.S. Nonresident Alien Income Tax Return”
こちらは「Nonresident Alien(非居住外国人)」専用の税務申告フォームになります。Fビザ留学生の中でもキャンパスアルバイトなどの何かしらの収入を得た場合には、基本的にこちらを提出することになります。
② Form 8843 “Statement for Exempt Individuals and Individuals with a Medical Condition”
こちらは「私はFビザの学生として滞在しています」 という情報をIRS(日本でいう国税庁)に届け出るフォームになります。こちらは全てのFビザ留学生が提出する必要があります。
こちらのフォームについては、下記の記事内で作成方法から提出方法まで具体的に書いていますので、ぜひ参考にしてみてください。
3. いつまでに提出すれば良い?提出期限の延長は可能?
Form 1040-NRおよびForm 8843は翌年4月15日までに提出する必要があります。具体例でいえば、2024年1月1日から2024年12月31日の期間の申告については、2025年4月15日までに提出する必要があるということになります。
もし申告期限を延長したい場合、Form 4868(”Application for Automatic Extension of Time to File U.S. Individual Income Tax Return”)を提出すれば申告期限を6ヶ月先まで延長することが可能です。先ほどの具体例で言うと、2025年10月15日まで延長することができます。
ただし、税金を支払う期限は延長されない点に注意が必要です。このForm 4868はあくまで税務申告書(今回だとForm 1040-NRとForm 8843)の提出期限の延長だけに適用され、もし仮にForm 100-NRの計算結果として税金を支払う必要が出てきた場合、この税金はあくまで翌年4月15日(先ほどの具体例だと2025年4年15日)までに支払う必要があると言うことになります。
延長する場合の手続きについては以下にまとめていますので、ぜひ読んでいってみてください。
4. Form 1040-NRとForm 8843の作成手続き
Form 1040-NRは(会計士や税理士の方でない限り)基本的には有料ツールを使うことになるかと思います。
個人的にはSprintaxがおすすめです。Sprintaxは「Nonresident(非居住)」向けの唯一の(?)タックスリターン作成ツールとなっていて、Form 1040-NRとForm 8843を同時に電子申告することが可能です。基本的にSprintax内のインストラクションに従えば簡単に提出するまで完了することが可能ですが、以下におおまかな手順を記載しておきます。
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まず雇用主からW-2を受け取る(←もし2月の段階でまだ貰えていない場合、雇用主にフォローアップしたほうがいいかもしれません)
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4月15日までにSprintaxへ必要事項とW-2の情報をアップロード。
- もし税金の支払いが必要な場合、「Tax Due Amount you owned」と表示されるので、指定の方法で支払いを行う。
- もしRefund(過払金の戻り)があると表示された場合は、インストラクションに従って入金する銀行口座情報を入力する。
5. 有料ツールを使うコストは?
必要事項を入力するだけで自動で作成してくれるソフトがいくつかありますので、ご紹介したいと思います。
選択肢 1: sprintax(スプリンタックス)
タックスリターンの作成ソフトウェアの中では珍しい「非居住者向け」の税務申告に焦点を当てているソフトウェアです。創業者も元々は留学生で、留学生や税務上の「非居住者」向けのタックスリターン生成ソフトがないことに目をつけ起業したという、同じ留学生出身としてはなんとも応援したくなる企業です。
そんなことはさておき、気になるお値段は連邦税のフォームは$54.95、州税のフォームは$49.95となっています。州にもよるのですが、例えばカリフォルニア州をはじめとする殆どの州では州税の申告も必要になってきます。この記事で紹介するForm 1040-NRとForm 8843はあくまで「連邦税」の申告用フォームですので、州税についてはお住まいの州に合わせて州独自のタックスリターンを作成する必要があります。
本記事では州独自のフォームに関する説明は省きますが、Sprintaxに必要事項を記入して出力された州税用の申告フォームを提出していれば基本的に問題ありませんので、ご安心ください。また、Sprintaxでは州税の申告フォームは電子申告することができず、わざわざ郵送する必要がありますので、ご注意ください。
なお、Form 1040-NRとForm 8843についてはSprintax内から電子申告することが可能です。
郵送については以下に詳しくまとめていますので、よければ読んでいってください。
なお、料金は変わる可能性がありますので、念のため公式サイトの料金表に飛べるリンクを貼っておきます。最新情報はこちらをご覧ください。
選択肢 2: Glacier Tax Prep
フォームの種類によらず一律$49という値段設定をしている、一風変わったソフトウェアです。超主観ですが、サイトのUIがあまりイケてないので、少し不安になります(とはいえ使ったことがないので、品質は存じ上げません!)。さらにはこのソフトウェアは連邦税にしか対応していないため、州税については別のシステムを使うか自分で作成する必要があります。そのため、お値段は多少高くなりますが、州税の申告書作成まで完了できるSprintaxを使う方が圧倒的に楽だと思います。
6. よくある質問:日本でのバイト収入は申告必要?
不要です。Fビザ留学生の場合、(最初の5年間は)アメリカ国外で得た収入について米国税務申告に日本で得た収入を含める必要はありません。
おわりに
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
大半の留学生は収入がないケースが多いため、周りに相談できる人がおらず、税務申告をどうすればいいか迷う方も多いのではないでしょうか。同じように収入がある日本人留学生のご友人へ、ぜひこの記事をシェアしてあげてください。
このブログでは引き続き、アメリカ在住日本人のための税金情報をわかりやすく発信していきます。
読んでいただきありがとうございました。